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2015.11/09 [Mon]
ZEROの罠
皆様こんばんは。
司法書士の有本です。
11月になりましたね。
寝相の悪い私にとっては、布団がはだけると風邪を引いてしまう気候になりました。
さて、このところ、相続のお手続きで、お客様と一緒に、もしくは委任状をいただいて代理人として、預金の解約や残高証明書の取得で金融機関に行く機会がとくに増えています。

相続財産には様々なものがあり、不動産だけでなく車や預貯金、お墓の権利など、名義変更を必要とするものが多々ありますが、
司法書士が取り扱う「相続」と言うと、不動産の登記がメインになりがちです。
相談 → 受託 → 戸籍調査 → 相続人の確定 →
遺産分割協議書の作成 → 法務局で登記 → 権利書の引渡し で、終わりのことが多く、
たとえば、「相続人Aは、不動産と預貯金を全部相続するかわりに、相続人Bに対し500万円支払う。」という内容の遺産分割協議が成立した場合、不動産の登記だけは司法書士が代理でし、その先の預金の解約とBへの送金はお客様に「自分で行ってきてねー」と丸投げすることが多いようです。
理由はいろいろありますが、「本人(お客様)でもできる手続きだから司法書士がやるまでもない」という先入観と、
「登記はよくわかるけど金融機関の手続きはよくわからない」、「面倒」というのが主な理由のようです。
実際のところは、金融機関での手続きは本当に面倒です。
基本的には必要書類を取り揃え、実印と通帳、カード類を持って窓口に行くのですが、
銀行口座を5つも6つも持ってらっしゃるお客様だと、回りきるのに一日がかりになります。
必要な書類はどこも似たり寄ったりですが、原本を返してくれるかどうかや、手続にかかる日数は様々ですし、運悪く相続手続に慣れてない新人行員さんに当たってしまうと、こちらが質問するたびに「上席に確認しに行って参ります」とつどつど15分以上離席され、手続きが終わるのに極端な例ですがトータルで3時間以上かかってしまったり、ちゃんとした書類を提出しても「これではだめです」と誤った対応をされ、提出の必要のない書類まで提出を求められ、何度も出直すことになり、いやな思いをされるお客様も少なくありません。
しらゆきリーガルフロンティアでは、こういった煩雑で時間のかかる手続きを全て代行いたします。
これまで多くのお客様からご依頼を頂き、銀行預金の解約から各相続人への送金手続までお手伝いさせていただいております。
一瞬で終わる登記と違い、金融機関での手続きは根気のいる作業ですが、
非常にやりがいがあります。
相続は、人生においてそうそう何度もある手続きではありません。
誰もが初めてで、誰もがわからなくて、誰もが不安です。
以前、お客様と一緒に金融機関を回っていたとき、
「先生が一緒に来てくださるだけで安心します。」
というお言葉をいただいたことがあり、司法書士業務を続けていくうえで非常に励みになりました。
いつだって、しらゆきリーガルフロンティアはお客様のお役に立ちたいと考えております。
足が悪くてなかなか金融機関の窓口まで行けない。
平日昼間は仕事をしているからそう何度も抜け出せない。
ちゃんと窓口で説明できるか不安。
このような方も是非、お気軽にご相談ください。
ちなみに、よくご質問いただくのが次の2つ。
「被相続人の通帳を記帳したら残高がゼロ円でした。
このまま、解約手続きせずに放って置いてもいいですよね?」
又は、
「口座が凍結されると面倒なので、キャッシュカードと暗証番号で全部下ろしちゃいました。
別途相続の手続きはいらないですよね?」
・・・・
結論からいうと、どちらもだめです。
きちんと、銀行窓口で相続の手続をされることをお勧めします。
確かに、こちらが金融機関に対し口座名義人が死亡した事実を告げるまでは、口座はずっと名義人が生きているものとして動き続けるので、キャッシュカードと暗証番号さえあれば、残高をゼロにすることも(良し悪しは別として)事実上可能です。
これを相続の手続きでやろうとすると、窓口でわざわざ戸籍を提示し、書類に実印で押印し、解約した預金が相続人の口座に振り込まれるまで1週間ほど待つ必要があります。
上記の暗証番号で下ろしてしまう方法なら簡単に預金を引き出すことができ、その現金を相続人同士で分配するほうがよほど簡単なようにも思えます。
しかしながら、それで大損してしまう可能性もあるのです。
有本の経験上、普通預金口座の残高がゼロ円でも、窓口で調べてもらうと、ほかに定期預金の口座を持っていたことがわかったり、出資金があったり、他の支店に口座が別にあったりと、相続人が把握していないものが結構色々出てくることが少なくないのです。
キャッシュカードでただ残高を引き出すだけだと、せっかくの被相続人が残してくれた大切な財産が、誰にも気づかれないまま永遠に払い戻されないままになってしま可能性があるのです。
実際、当事務所で預金解約手続きのお手伝いをさせていただいた奥様で、
当初は「家計は全部私が預かっていましたから、主人の遺産はこれ以外はないですよ」とおっしゃっていたのを何とか説得して金融機関で照会してもらったところ、別支店の普通預金と定期預金と国債であわせて数百万円分が出てきたことがあり奥様も大変驚かれていました。
カードも通帳も結局最後まで出てこなかったのですが、きっと亡きご主人のひそかな楽しみ(ヘソクリ)だったのでしょう。
きちんと調べてもらった結果、どの口座も残高がゼロ円、
もしくは相続人名義の口座へ送金する手数料だけで赤字になる金額(数百円など)でしたら、
解約しないでほうっておくのもひとつの選択肢だと思います。
いずれにせよ、手元にある通帳の残高だけで判断なさると、大損するかもしれませんので、
どんな自信があっても、念のため、窓口で相続の申し出をしてその銀行にほかに口座がないのか調べてもらうことをお勧めいたします。
さて、今日はこのへんで失礼いたします。
有本でした。
司法書士の有本です。
11月になりましたね。
寝相の悪い私にとっては、布団がはだけると風邪を引いてしまう気候になりました。
さて、このところ、相続のお手続きで、お客様と一緒に、もしくは委任状をいただいて代理人として、預金の解約や残高証明書の取得で金融機関に行く機会がとくに増えています。

相続財産には様々なものがあり、不動産だけでなく車や預貯金、お墓の権利など、名義変更を必要とするものが多々ありますが、
司法書士が取り扱う「相続」と言うと、不動産の登記がメインになりがちです。
相談 → 受託 → 戸籍調査 → 相続人の確定 →
遺産分割協議書の作成 → 法務局で登記 → 権利書の引渡し で、終わりのことが多く、
たとえば、「相続人Aは、不動産と預貯金を全部相続するかわりに、相続人Bに対し500万円支払う。」という内容の遺産分割協議が成立した場合、不動産の登記だけは司法書士が代理でし、その先の預金の解約とBへの送金はお客様に「自分で行ってきてねー」と丸投げすることが多いようです。
理由はいろいろありますが、「本人(お客様)でもできる手続きだから司法書士がやるまでもない」という先入観と、
「登記はよくわかるけど金融機関の手続きはよくわからない」、「面倒」というのが主な理由のようです。
実際のところは、金融機関での手続きは本当に面倒です。
基本的には必要書類を取り揃え、実印と通帳、カード類を持って窓口に行くのですが、
銀行口座を5つも6つも持ってらっしゃるお客様だと、回りきるのに一日がかりになります。
必要な書類はどこも似たり寄ったりですが、原本を返してくれるかどうかや、手続にかかる日数は様々ですし、運悪く相続手続に慣れてない新人行員さんに当たってしまうと、こちらが質問するたびに「上席に確認しに行って参ります」とつどつど15分以上離席され、手続きが終わるのに極端な例ですがトータルで3時間以上かかってしまったり、ちゃんとした書類を提出しても「これではだめです」と誤った対応をされ、提出の必要のない書類まで提出を求められ、何度も出直すことになり、いやな思いをされるお客様も少なくありません。
しらゆきリーガルフロンティアでは、こういった煩雑で時間のかかる手続きを全て代行いたします。
これまで多くのお客様からご依頼を頂き、銀行預金の解約から各相続人への送金手続までお手伝いさせていただいております。
一瞬で終わる登記と違い、金融機関での手続きは根気のいる作業ですが、
非常にやりがいがあります。
相続は、人生においてそうそう何度もある手続きではありません。
誰もが初めてで、誰もがわからなくて、誰もが不安です。
以前、お客様と一緒に金融機関を回っていたとき、
「先生が一緒に来てくださるだけで安心します。」
というお言葉をいただいたことがあり、司法書士業務を続けていくうえで非常に励みになりました。
いつだって、しらゆきリーガルフロンティアはお客様のお役に立ちたいと考えております。
足が悪くてなかなか金融機関の窓口まで行けない。
平日昼間は仕事をしているからそう何度も抜け出せない。
ちゃんと窓口で説明できるか不安。
このような方も是非、お気軽にご相談ください。
ちなみに、よくご質問いただくのが次の2つ。
「被相続人の通帳を記帳したら残高がゼロ円でした。
このまま、解約手続きせずに放って置いてもいいですよね?」
又は、
「口座が凍結されると面倒なので、キャッシュカードと暗証番号で全部下ろしちゃいました。
別途相続の手続きはいらないですよね?」
・・・・
結論からいうと、どちらもだめです。
きちんと、銀行窓口で相続の手続をされることをお勧めします。
確かに、こちらが金融機関に対し口座名義人が死亡した事実を告げるまでは、口座はずっと名義人が生きているものとして動き続けるので、キャッシュカードと暗証番号さえあれば、残高をゼロにすることも(良し悪しは別として)事実上可能です。
これを相続の手続きでやろうとすると、窓口でわざわざ戸籍を提示し、書類に実印で押印し、解約した預金が相続人の口座に振り込まれるまで1週間ほど待つ必要があります。
上記の暗証番号で下ろしてしまう方法なら簡単に預金を引き出すことができ、その現金を相続人同士で分配するほうがよほど簡単なようにも思えます。
しかしながら、それで大損してしまう可能性もあるのです。
有本の経験上、普通預金口座の残高がゼロ円でも、窓口で調べてもらうと、ほかに定期預金の口座を持っていたことがわかったり、出資金があったり、他の支店に口座が別にあったりと、相続人が把握していないものが結構色々出てくることが少なくないのです。
キャッシュカードでただ残高を引き出すだけだと、せっかくの被相続人が残してくれた大切な財産が、誰にも気づかれないまま永遠に払い戻されないままになってしま可能性があるのです。
実際、当事務所で預金解約手続きのお手伝いをさせていただいた奥様で、
当初は「家計は全部私が預かっていましたから、主人の遺産はこれ以外はないですよ」とおっしゃっていたのを何とか説得して金融機関で照会してもらったところ、別支店の普通預金と定期預金と国債であわせて数百万円分が出てきたことがあり奥様も大変驚かれていました。
カードも通帳も結局最後まで出てこなかったのですが、きっと亡きご主人のひそかな楽しみ(ヘソクリ)だったのでしょう。
きちんと調べてもらった結果、どの口座も残高がゼロ円、
もしくは相続人名義の口座へ送金する手数料だけで赤字になる金額(数百円など)でしたら、
解約しないでほうっておくのもひとつの選択肢だと思います。
いずれにせよ、手元にある通帳の残高だけで判断なさると、大損するかもしれませんので、
どんな自信があっても、念のため、窓口で相続の申し出をしてその銀行にほかに口座がないのか調べてもらうことをお勧めいたします。
さて、今日はこのへんで失礼いたします。
有本でした。
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お疲れ様です。
私はお客様の付添しかしたことがありません。(委任状で
代理したことがありません)
事前に電話で必要書類を確認しておいても、いざ銀行に行ってから書類が足りないとか言われそうで大変そうです。(行員が不慣れな場合)
遺産分割協議書で大丈夫と言われて銀行に行ってみると、
銀行独自の書類に相続人全員の署名実印押印してくださいとか言われることがあるようです。
報酬も結構いただかないと割が悪いような気がしますが、
なかなか取りずらい気もします。
新しい業務ですが、先生のようにお若い方は結構やられているようです。
相続財産の承継漏れは結構あるようです。
一番身近なのは私道の持分の登記漏れです。
固定資産税の名寄せをしても漏れる場合があるようです。
非課税のものだからでしょうか。
やはり権利証の確認が一番でしょうか。これでも完全では
ないですが。
寒くなりますが、御身大切に。健やかにお過ごしください。